Jヴィレッジスポーツフェスタ2018 福島復興イベントでボランティア
Jヴィレッジスポーツフェスタ2018 福島復興イベントでボランティア

Jヴィレッジスポーツフェスタ2018 福島復興イベントでボランティア

1月14日、復興庁とJヴィレッジが主催する福島復興イベント「Jヴィレッジスポーツフェスタ2018」が楢葉町まなび館(福島県楢葉町)で開かれた。Auniversityはボランティアスタッフとして参加し、これまで開催してきたスポーツイベントで培った経験を生かして企画・運営を担当。東日本大震災からの復興の過程にある地域同士の交流を深める機会となった。

 

ともに体を動かす

 

復興イベント前日は雪が降る寒さだったが、当日は快晴。

暖かい日差しが差し込む楢葉町まなび館で、福島県の12市町村の住民168人が参加し、影山雅永U19日本代表監督や元日本代表の加地亮選手、Jリーグ選手会長の高橋秀人選手など現役・OBサッカー選手らと交流した。Auniversityからは17人のスタッフが参加し、Jヴィレッジスタッフ、地元の高校生60人と共に運営を担った。

 

参加した12市町村(※)は、福島第一原子力発電所事故で避難区域に指定されていた区域にあたる。まだ避難解除されていない大熊町、双葉町、浪江町(一部)からも参加者が集まった。

(※田村市、南相馬市、川俣市、広野町、楢葉町、富岡町、川内町、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村、飯舘村)

メイン会場では、サッカーのミニゲームで市区町村ごとに対戦する「ファミリーサッカーフェスティバル」を開催。各チームにプロ選手が1人ずつ入り、子どもたちと一緒にプレーした。

最後を締めくくる「エキシビジョンマッチ」では、プロ選手チームと各チーム代表を集めたチームが対戦。会場が一体になって盛り上がった。ハーフタイムには、地元の高校生マーチングバンドが演奏とフラッグのショーを披露した。

 

 

会場の外にもブースを設置し、復興にまつわる言葉を使った「3ならべゲーム」、「バランスボール」、「昔遊び」、走らずにサッカーをする「ウォーキングサッカー」などが行われた。各ブースでは子どもから高齢者までがゲームを一緒に楽しみ、プロ選手たちもメイン会場のサッカーだけでなく、ブースでも子どもたちと交流する姿があった。

 

参加者した子どもたちは、「まだしたい!」「来年もあるよね?」と大いに楽しめた様子。保護者の方も子どもたちが元気にプレーする姿や、プロ選手との交流を喜んだ。

 

みんなが一つに

 

開会式では、それぞれのチームカラーのバンダナを掲げ、「虹」を描く姿が印象的だった(冒頭写真)。色はそれぞれだが、今回のイベントでの一体感を象徴しているようにも見える。

 

参加した12市町村には、まだ避難解除がされていない自治体もあり、震災からの復興の進み具合は一様ではない。そんな中、この復興イベントを開くにあたって運営スタッフたちが持っていた思いは、プロ選手との交流を通して地域の人たち同士の交流を促したい、世代間・市町村間の交流を通じて“一つになって復興を成したい”ということだった。

 

「一つになって」――。あらかじめ周知したコンセプトではなかったのだが、会場内は自然と一つになっていった。

 

 

ミニゲームでは、地元チームを応援するために集まった応援団が、他のチームも応援するようになり、参加者、観客、スタッフ、すべての人が一体になって会場は熱気に包まれていった。

 

また、ゲームごとに行った「MVP選び」もゲーム参加者たち同士の交流の機会となった。勝ち負けだけに集中するのではなく、相手チームの良いところを探しながら試合を進め、試合後には相手チームのMVPを選んでたたえるというものだ。Auniversityのスポーツイベントでも恒例になっているMVP選び。これによって、相手を理解しようとする雰囲気が自然に生み出されていった。

 

 

最初はなかなか自分の意見を言わなかったりつまらなそうにしたりしていた子どもたちも、試合を通して打ち解け、子どもたち同士で色々な提案をして遊ぶようになった。また、会場外の昔遊びブースでは、お年寄りと子どもたちが交流する姿が見られた。

 

参加した子どもたちは元気いっぱい走り回っており、その姿からは復興には子どものパワーが必要だと感じられた。子どもが元気になれば家族が元気になり、家族が元気になれば地域が元気になる。地域が元気になれば、日本が元気になる。そう実感するしかない1日だった。