Auniversityは2022年10月15日(土)、「平和」をテーマに〜Auniversity Festival〜2022秋〜を開催し、九州から東北まで34チーム総勢500名以上の選手と応援の方々が参加してくださいました。
開会式では代表の堂から「今日この場所で関心という種を蒔き平和という実を結んで欲しい」とメッセージをお伝えしました。
◆キッズサッカー(小学校3〜6年生)
キッズサッカーの会場では、特別プログラム【福祉×FOOTBALL】を実施。障がい体験サッカークリニックを子どもたちが体験しました。
「社会福祉士」と「リフティングパフォーマー」という2つの顔を持ち、世界で活躍されている浅井さんがレクチャーをしてくださいました。
子どもたちは「目を瞑りながら歩いてみよう(視覚障がいの体験)」「片方の膝を曲げずにドリブルしてみよう(脳性麻痺の体験)」という浅井さんのレクチャーの元、大好きなサッカーを通じて障がいを持たれている方々の感覚に触れる時間を持ちました。
「福祉ってどう意味か知ってる?」という質問に「幸せです!」と一発で答える小学生。
大人も驚嘆する場面がありました。
「世界にはサッカーをしたくてもできない状況の人がいる。サッカーができること自体が幸せなことだ」という浅井さんの話を通して、普段当たり前だと感じていることが実は幸せな事だということを学びました。
その後は楽しみにしていた試合がスタート!
Auniversityでは、試合ごとに「Auni賞(英雄に賞)」という特別な賞を授与しています。
Auni賞は「平和」という大会のコンセプトに合ったプレーをした選手や、光り輝く瞬間があった選手に贈られる賞です。
キッズサッカーのAuni賞はブラインドサッカー日本代表コーチの上林さんとリフティングパフォーマーの浅井さんが選出してくださいました。
倒してしまった相手に「ごめんね…、大丈夫?」と手を差し出す選手。
相手ボールの時も走ってボールを取りにいき相手に渡す選手。
大声で応援し、得点した選手以上に大喜びでベンチで飛び上がる選手。
怪我をした選手のために救急箱を取りに走り出す選手。
ゲストから選出理由が発表されると、敵味方関係なく惜しみない拍手が送られていました。
「シュートを決めた人だけがヒーロー(英雄)じゃないよ。このプレーも素敵なプレーだったよ」と賞を通して伝えることで、『上手いプレーだけではなく、周りを思いやってプレーすることも素晴らしいことなんだ』と子どもたち自身が学んでいってほしいと思います。
このように、子どもたちに接する大人たちが、技術面だけではなく子どもたち一人ひとりのそのようなプレーを認め、言葉にして伝えてあげることで、子どもたちの心を豊かに育ててあげたいです。
◆女子フットサル大会/男子ソサイチ大会
女性はブラインドサッカー日本代表コーチによるアップを兼ねたクリニックを行いました。最初から笑顔の花が咲いていました。
もちろん、子どもたちだけでなく大人たちの試合も平和の心が溢れていました。
大人のAuni賞を選出するのはゲストではなく、対戦相手チームがお互いに選出し合います。そして、自分のチームだけではなく相手のチームにも関心を持ってリスペクトして褒め称え合います。
スタッフの中にも運営しながらAuni賞をあげたい人たちをたくさん見つけました。
あるチームのゴールキーパーが「ナイスキーパー!」との声かけをした相手はなんと、一番遠い場所にいる味方のシュートを好セーブした相手のキーパーでした。「なんて素敵な声かけなんだろう」と平和を創り出す一言の力を感じました。
初めて参加した高校生スタッフの感想からも
「試合中も試合後も一貫して相手へのリスペクトを忘れない選手の方々に平和の最たるものを感じました。試合中に負傷者が出ればチーム関係なく手を貸し、時には近くにいた他のチームの方まで飛んできて手当をしたり、相手をも励ますような声掛けをしたり。更にはボールを代わりに拾ってくださったり、ボールを渡す度にありがとうとお礼を言ってくださったり。あげればキリがないほど素敵だと思うことがたくさんありました。」
スタッフに蒔かれた関心の種も平和の実を結んでいました。
◆平和ブース
「もっといろんなことに関心を持てるように知る機会を提供したい」「誰でも平和を創り出すことができるということを伝えたい」という思いから、平和ブースも設置しました。
「ブラインドサッカー」「W杯を通して実現された平和」「被災地の今」「バリアフリーについて」など様々なテーマのメッセージボード、動画、ウクライナ民話を元にした絵本などを展示しました。
このブースでは、「英雄に届けたい名言」を書いたAuniメッセージカードを引くこともでき、当たった人にはAuni特製「世界の言語でありがとう」オリジナルファイルをプレゼントしました。
「カードに何が書いてあった?」
「翼をつけた考えで、考えが飛ぶと行動も飛べるようになる。」
「まず考えで飛んでみて、できる!!って思ったら、行動もできるようになるよ!じゃあ、この後の試合もまず考えから始めてみよう!ファイト!!」
そんなスタッフとのやりとりと共に英雄のメッセージの種が一人ひとりの心に蒔かれていきました。
◆ハーフタイムショー
Aniversity Festivalには、欠かすことができないハーフタイムショーの時間です。
まずは、チアダンスチーム「LUCE(ルーチェ)」のみなさんによるパフォーマンスです。
「笑顔」「元気」「応援」のチアスピリットが溢れたパフォーマンスでした。決勝の舞台で応援し続ける姿も見ながら、その表現は真実さから溢れ出るものだと心打たれました。
2番目は、世界の舞台でも活躍するフリースタイラーの浅井さんによるリフティングパフォーマンス。浅井さんが生み出した浅井さんの名前がつく技も見ながら拍手喝采、大歓声が湧き上がりました。
「平和はみんなが幸せな状態。いろいろな人がいることを知ることが平和の始まり。まずは【知る】ことから始めよう。サッカーというスポーツはルールを変えたり工夫すればみんなでできるスポーツ。体が動けなくてもルールを作って環境を整えたりしている。それが強みなんだ。」という話も印象的でした。
そして、フィナーレの「The One」で感動は最高潮に!
オリジナル曲「The One」をバンド「グリーンRミュージアム」とダンサーが披露。そこにLUCEと浅井さんが加わり、最後は観客全員で一つの作品を作り上げました。
観客が振るボードには世界に発信しようと平和のメッセージの数々が書かれていました。
地域、世代、個性の分野を超えて一つになる姿が平和を体現しているように見えました。
最後は平和のメッセージをウクライナの国旗の色と共に天に突き上げ、私たちの決心が結実することを願いました。
◆男性Peacefulリーグ決勝戦
決勝戦は前半、後半と白熱し、2−2となりPK戦へ。
そんな中、選手たちは自然と相手チームとも肩を組み始めました。
「見てみて!!ウクライナの国旗の色だ!」
その声を聞いてよく見ると鮮やかな青と黄色が一つとなったユニフォームははっきりとウクライナの国旗を表していました。
両者譲らない攻防は、8人のキッカーが3週目に突入するという長い長いPK合戦に。
GOAL〜!!!!
シュートが決まり胴上げに駆け寄る人たち、負けた選手も拍手で称え、会場全体が拍手喝采、歓喜の渦となりました。
◆今回参加してくださった参加者の素敵な感想
参加者のみなさんから、載せきれないほどたくさんの素敵な感想をいただきました。
・Auni賞があることによって相手チームにも関心を払い、いいところを見つけようとしながら試合をできたのが新鮮であり楽しく平和を感じました!
・自分から平和を作り出す意識が強くなった。
・日頃から近くにいる人に関心を払い、平和な言動を心がけることで周りの環境や人を平和にする人間になりたいと思いました。
・ブースで引いたメッセージを通して、まずは自分の中で平和が成されてこそ、もっと大きく平和も成していくことができる、自分一人が大事だということを感じました!
・平和と聞くと、すごく大きく抽象的なもののように感じますが、目の前の場所から自ら創り出していくことができると改めて感じました。
◆最後に
閉会式のあと、ある男の子が立ち止まってじっとこちらを見つめてきたので、
「今日どうだった?」と聞いたら、「楽しかった!」
「そっか、よかった! 今日どんなこと感じたの?」
「平和のために自分ができることを考えて行っていこうと思った!」と話してくれました。
この瞬間、本当に開催してよかったと目に涙が滲んでしまいました。
私たちの小さな行いは、小さくはないんだと感じる時間でした。
未来を作る子どもたちに私たちから関心を持って、どんな種を蒔いてあげられるのかこれからも考えていきたいです。
(文責 堂)
※このイベントは、スポーツくじ(toto/BIG)の助成金を受けて開催しています。