動けず話せない『ALS』という難病とは/ 岡部宏生氏

動けず話せない『ALS』という難病とは/ 岡部宏生氏

2017年8月20日 オフ 投稿者: auniversity

セミナー「動けず話せない『ALS』という難病とは」を開催した。

講師は、2006年にALSを発症された、一般社団法人 日本ALS協会会長の岡部 宏生さん

当日は、介護スタッフが同伴してくださった。
介護スタッフの一人が、文字盤を使い又、岡部さんの口の動きを読み取り、
もう一人がその文字を書き取り、言葉を紡いでいった。

講演の冒頭、「特殊なコミュニケーションをするので、時間もかかるのですが
しっかりと会話ができますのでよろしくお願いします」と話された。

実は、セミナーの前日8月19日から
「ギフト 僕がきみに残せるもの」という、ALSを題材にしたドキュメンタリー映画の上映が始まった。
そして20日にはこのセミナーを開催。
タイミングがあまりにもピッタリ合い、スタッフ一同も驚きだった。

さて、講演会の内容は岡部さんが作成してくださった文章を、介護スタッフが代読する、という流れで進行した。  

岡部さんご自身の自己紹介から始まり、
ALSについて、
在宅医療について、
様々な内容を語った。

現在、岡部さんは毎日仕事に追われる日々を送っていらっしゃる。
飛行機や新幹線も利用されているそうだ。

そして、岡部さんはよく
「病気が治ったら何をしたいですか?」と聞かれるそうだ。
その答えとして「仕事をしたい」と答えるのが常だった。
しかし今、治っていないが仕事をしているという。

「医療と福祉の制度利用があったから外出が可能になった」と岡部さん。
このように体制を構築できれば、患者の生活は様々可能であるということを、岡部さんご自身が証明されている。
しかし実際は、呼吸器をつけるかどうか悩んだ時期もあったそう。
(呼吸器をつけると、寿命はのびるが、その分介護が必要になるため。)
それでも今では月に20日前後も外出だ。

「それぞれの患者の暮らしがあることを受け入れてください。
コミュニケーションがとれなくなることは、非常に恐ろしいこと。
伝えたいことがある人は何かを伝えよう。
コミュニケーションを取りたい!と思う気持ちを、なくならせないようにしよう」と語った。

最後に「患者も支援者もコミュニケーションを取ろうという気持ちを忘れないでください」と語り、講演は締めくくられた。

その後、質疑応答の時間にうつった。

Q.難病の方々に対し、日本の社会や会社は、今後どうあるべきだと思うか?

Q.どんな人に寄り添っていてほしいですか?

など、多くの質問に答えてくださった。

中でも印象的だったのは

「Q.たくさん活動されている原動力はなんですか?」

という問いに対しての答えだ。

岡部さんは、

「今やることは、限界までやらないと、明日はできなくなっているかもしれないという気持ちに駆り立てられているから」

と答えた。

冒頭で書いたとおり、岡部さんは文字盤や口の動きだけを使い文字を紡いでいく。
自分が話している間に、次に何を話そうと思っていたか忘れることもあるかもしれない。
しかし、岡部さんは「とても端的に、わかりやすく」話してくださった。
たくさん考えて、相手にとって必要な言葉を抽出し、どんな人に対しても、その人にとって一番いい言葉をかけてくださったのが印象的だった。

短い時間ではあったが、岡部さんのあたたかい人格がにじみ出る、素敵な講演になった。
お忙しい中、Auniversityのためにお時間を出してくださった岡部さん、介護のスタッフのみなさん、本当に本当にありがとうございました!!

これからもAuniversityでは、学校では学べない、もっと深いことを追求していける機会を提供できるよう、頑張ります。
これからも、よろしくお願いします!