Auniverstiy Festival 2025夏 親子で学ぶコミュニケーション 〜川澄奈穂美選手と体験する『ほめスイッチ』〜
Auniverstiy Festival 2025夏 親子で学ぶコミュニケーション 〜川澄奈穂美選手と体験する『ほめスイッチ』〜

Auniverstiy Festival 2025夏 親子で学ぶコミュニケーション 〜川澄奈穂美選手と体験する『ほめスイッチ』〜

2025年6月14日、神奈川県大和市のフットサルコートティピにて、「Auniversity Festival 2025夏 親子で学ぶコミュニケーション 〜川澄奈穂美選手と体験する『ほめスイッチ』〜」を開催しました。

開会式では、代表の堂より、褒めることの重要性と、成功だけでなく失敗も脳の成長にとって不可欠であるというメッセージが伝えられました。参加者の皆さんには、成功はもちろんのこと、たとえ失敗しても「挑戦しようとしたこと」「100%できなくても10%はできたこと」を認め、「ほめスイッチ」を押してほしいと呼びかけました。

続いて、元サッカー日本代表の川澄奈穂美選手からは、サッカーを「ミスのスポーツ」と捉える視点から、深いメッセージをいただきました。川澄選手は「1試合に決まるゴールはわずか2〜3点。それ以外はパスミス、シュートミス、判断ミスなど、すべてがミス(失敗)です。だからこそ大切なのは、ミスをしないようにすることではなく、最大の成功であるゴールを決めるために、いかにチャレンジ(挑戦)するかです」と語られました。

さらに、ワールドカップでの経験を例に挙げ、「事前の練習試合でアメリカに2度負け、過去20回以上戦って一度も勝てなかった相手にも、これまでの負けを糧に、試行錯誤を重ね、最後まで諦めずに戦い続けた結果、勝利し金メダルを獲得できた」と力強くお話しくださいました。そして、「今日参加する皆さんには、失敗を恐れず、失敗してもいいという気持ちで、たくさんチャレンジしてほしい」と、参加者の背中を押してくださいました。

午前の部:サッカー経験者向けプログラム

午前の部は、サッカー経験のあるお子さんとその保護者の方々が主な対象でした。 初対面の方が多かったため、脳のトレーニング(ライフキネティック)を兼ねたウォーミングアップからスタート。その後、川澄選手によるワークショップ、そして3グループに分かれてのシュート練習を行いました。

ウォーミングアップや川澄選手のワークショップでは、慣れない環境や動きにも関わらず、果敢に挑戦し、たとえ失敗しても繰り返し挑戦し続けるお子さんたちの姿が印象的でした。

お子さんたちが活動している間、保護者の皆さんにはワークショップにご参加いただきました。ある一枚の絵を見ながら、その絵の中から一つでも多くの「褒める点」を見つけるという内容です。各自の発表を聞きながら、「自分はその視点がなかった」という気づきもあり、「考えの目を開いて見る。あると思って見れば必ずある」という貴重な体験の機会となりました。また、「褒めるタイミング」や「褒める時のポイント」についても具体的なアドバイスが伝えられました。

参加者の方からは、このような感想が寄せられました。

  • 「具体的に褒めるということをワークシートで実践しながら聞けたのが良かった」
  • 「親や指導者にとって実にリアルで為になるトレーニングになりました。」
  • 「会社でも必要な話だと思い、早速取り組んでみたい」

「1つのことだけを考えずに、2つのことを考えて判断する」という親子一緒に取り組むワークショップでは、保護者の皆さんも、ご自身のお子さんだけでなく、他のお子さんも積極的に褒めたり、言葉だけでなく拍手や頷きで反応するなど、学んだことを実践されている様子が伺えました。

試合では、初めて一緒にチームでサッカーをする仲間と試合を重ねるたびに、自分の意見を言い合い、ポジションを自分たちで決めたり、「どんまい」と励ましあったりする姿が見られました。「自分のチームはみんなが声を出していたのがよかった」と、自分たちのチームの良さを見つけるお子さんもいました。また、チーム一丸となって本気になったからこそ、悔し涙を流し、慰め合う姿も見られました。

Auniversityでは、試合ごとに「Auni賞(英雄に賞)」という賞を授与しています。Auni賞は「平和」という大会のコンセプトに合ったプレーをした選手や、光り輝く瞬間があった「素敵な褒め、プレー」をした人たちに贈られる賞です。

  • 「どんな状況でも声を出し続けていた選手」
  • 「味方の状況をよく見て判断してボールを出し続けていたキーパー」

といった、勝利や得点に必ずつながるプレーでなかったり、本人にとっては普段当たり前のようにしていることも、賞をもらうことで改めて、その行いに対する価値や認識感が深まり、Auni賞をもらった際の驚きの後に笑顔になる姿が印象的でした。

「素敵な褒める!」を実践していた選手に贈られる川澄賞は、相手のチームのプレーも褒め、絶えず声を出し続けていたお子さんと、「サッカーはやったことないので…」と言いながらも果敢に挑戦し、たくさん褒めていたお母様に与えられました。

午後の部:サッカー未経験者・発達特性のあるお子さん向けプログラム

午後の部は、サッカー未経験のお子さんや、発達特性のある小学生が主な対象でした。ウォーミングアップではみんなで「ありが塔(とう)」を立てました。一生懸命ボールやマーカーを運んで協力して積み上げていくこと。このゲームは一番になることが目的ではなく、みんなで立てることが目的です。会場には立てた後に「ありがとう〜」とみんなで叫ぶ声が鳴り響いていました。しかし、すでに立てたはずの塔が風によって倒れた時には、みんなで駆け寄って塔を立てる姿が印象的でした。これは、人生において、自分はうまくやっても、環境や状況によって時に崩れることや難しさが発生することもありますが、そんな時は一人で抱え込まず、みんなで支え合えばいいんだよ、という大切なメッセージを教えてくれたようでした。

フットボールエンターテイメントグループ球舞(きゅうぶ)の浅井さんによるリフティングパフォーマンスの後は、浅井さんによるワークショップが行われました。


シュートを決めた子どもたちは、みんなとハイタッチをして駆け回っていました。 幼児たちは、サッカーボールに見向きもしなかった状態から、「100回はシュートした!」という言葉が嘘ではないくらい、距離を伸ばしたり、キーパーの隙を突いてシュートを決めたりと、ボールを蹴り続けていました。

試合では、「キーパーは手は使わないよ」というルールに対し、思わず手を出して止めそうになったところから引っ込めた姿に、「シュートを止めないと」という考えが浮かぶ中でルールを思い出して素晴らしい!との声が上がりました。いつもならゴールを決められると気にしているお子さんが「パパ、あの子うまかったよね。あれじゃ、止められないよ」と相手のプレーを素直に認める姿に、成長を感じる親御さんもいらっしゃいました。

参加者の方からは、このような声が寄せられました。

  • 「たくさん褒める環境の中で、最初はやりたくないと言っていた子もどんどんキックしたりシュートしたりするようになり、そのあとはすごく楽しんでまたサッカーしたい!と言っていたことを通して、環境をつくる大人の大切さを実感しました。子供達に『できる』を実感させてあげながら、成長させていくことは、職場でも教会でも通じる育成方法なのだなぁと感じました。」
  • 「子どもが、俺天才かもなどやる気に満ちた話が印象的でした。」
  • 「私はスタメンになれず、いつも控え選手の彼女に、褒めてあげることがほとんどありませんでした。今回のイベントで、彼女には沢山褒めてあげられることがあることに気がつきました。本当にありがとうございました。」
  • 「保護者も褒めてくださり、とてもとてもうれしかったです。ありがとうございました。」

この度は、Auniversity Festival 2025夏にご参加いただき、誠にありがとうございました。今回のイベントを通して、参加された皆様の「ほめスイッチ」がオンになり、今後の生活にポジティブな影響がもたらされることを願っております。

※このイベントは、スポーツくじ(toto/BIG)の助成金を受けて開催しています。